1.マメゾウムシの分類学 分類学はある生物がたどった進化の道筋を論理的に解明できるだろうか? 今回のワークショップは,この進化の問題に対して系統学派と分類学派を真っ向からディべートさせるために企画されたものらしい。私はその試み自体には賛成だったが,期日が近づくにつれてやたらと系統学派の元気さばかりが目立つようになると,ある素朴な疑問が沸々とわき起こってきた。「分類学のお世話にならずに,ある生物の進化を解明するなど,あり得るのだろうか?」 私は最近,科研費・国際学術研究(共同研究)の助成により海外に幾度も出られるチャンスを生かし,北アリゾナ大学のC. D. Johnson教授と共同で新大陸のマメゾウムシ科の寄主植物利用パターンを調べ始めた。マメゾウムシ科約1300種は現在のところ6亜科約57属(文献によっては属の分け方が異なる)に分けられている(Udayagiri & Wahdi 1989のカタログ)。亜科レベルで見ると,1属しか含まない非常に小さなヨウカクマメゾウムシ亜科(Eubaptinae)・アシボソマメゾウムシ亜科(Kytorhininae)・ニセハムシマメゾウムシ亜科(Robinae)を除けば,イクビマメゾウムシ亜科(Ambryserinae)・マメゾウムシ亜科(Bruchinae)・モモブトマメゾウムシ亜科(Pachimerinae)の3亜科は新旧両大陸にそれぞれ分布する。しかし,興味深いことに,属レベルで見ると旧大陸と新大陸特有の属がはっきりしており,貯蔵豆の輸出入に伴って世界中で見つかるコスモポリタン害虫種や,偶発的に寄主植物について移動した野生種の例を除けば,この区分は極めて明瞭である(図1)。 マメゾウムシはどのマメの種子でも発育できるものではない。アントシアニン,サポニンなど100種類以上もの毒性物質がマメには知られており(Duke 1981),それぞれの毒を持つマメを食べるには,その解毒機構を備えている必要がある。マメゾウムシにとってマメを利用する障害はそれだけではない。マメの種によって,種子が熟する時期,食害への対抗手段としr箍内にヤニ状の防衛組織を持っているか,箘は開裂するか閉じたままか,種子にも虫の食害に対する種皮の硬化など防衛組織が発達しているか等,すべて異なる。このような組み合わせの中から,マメゾウムシは自分に適した寄主マメをようやく選んでいるのだ。 日本産のマメゾウムシはコスモポリタンの害虫種を除けば,3亜科20種ほどの野生種が記載されているが,マメゾウムシとその寄主植物の対応はおおよそ「1:1の関係」で,まれに高々「1:2の関係」となっている。つまり,複数の寄主植物を持つ種や,複数のマメゾウムシに食われる寄主は少ない。文献にその寄主の記載がある野生種に限れば,以下のようである(中條 1937,渡辺 1986,Morimoto 1990,嶋田 1994)。
イクビマメゾウムシ亜科
Spermophagus属 イクビマメゾウムシ フジマメ*,
ヒルガオ マメゾウムシ亜科
Bruchus属 クロマメゾウムシ ハマエンドウ,ナンテンハギ (ミヤコグサマメゾウムシと同種異名)
Bruchidius属 ネムノキマメゾウムシ ネムノキ,ニセアカシア*
シリアカマメゾウムシ ネムノキ,ニセアカシア*
サイカチマメゾウムシ サイカチ,トウサイカチ
サムライマメゾウムシ ヤマハギ*
ヒゲナガマメゾウムシ クサフジ
Callosobruchus属 チャバラマメゾウムシ クズ
Sulcobruchus属 ザウテルマメゾウムシ ジャケツイバラ
アシボソマメゾウムシ亜科
Kytorhinus属 シャープマメゾウムシ クララ (* は筆者は未確認)
このような状態では,別々のマメ科植物につくマメゾウムシは,寄主をめぐって相互作用することはほとんどなく,マメゾウムシ群集(一つの生息場所で似たようなニッチを利用する一群の生物の集合に「ギルド」という術語を当てるが,ここでは群集とギルドを同じ意味で用いる)と呼べるようなものなどはとても見られない。 旧大陸の熱帯アジアやアフリカのマメゾウムシがどのようであるかは,マメゾウムシの種多様性が極めて高いと期待されるにも関わらずほとんど分かっていない。しかし,情報がより整っている新大陸のマメゾウムシを見ると,寄主植物の利用パターンはガラリと変わる(Udayagiri & Wahdi 1989)。「1:多の関係」(1種のマメゾウムシが多種の寄主を利用し,1種の寄主は多種のマメゾウムシから寄生される)が,やたらと多いのである(Johnson 1980)。 では,この食う−食われる関係において,近縁のマメゾウムシどうしは近縁の寄主植物グループを利用しているのだろうか? もし新たな有毒物質と解毒機構をそう簡単には進化させられないのだとしたなら,比較的近縁なグループどうしの食う−食われる関係に留まるはずだろう。そこで,マメゾウムシ科と寄主植物の食う−食われる関係の総体(群集構造)に及ぼす系統の効果を調べようというのが,この共同研究の目的である。
2.分類学者C. D .Johnsonと新大陸マメゾウムシ このような寄主植物の利用から見た植食性昆虫の群集構造の研究は,何十種類もの生物を相手にする。しかも未経験の地である。こういう場合に,分類学のお世話にならずに,どうやって自分がターゲットとする分類群の範囲を特定し,さらに種を同定できる(マメとマメゾウムシの両方で!)というのか? どんな分類群にも分子系統樹や分岐図がきちんと揃っているわけではない。ましてや,種の記載も不完全なグループすら未開地では珍しくはない。系統樹さえあれば事足れり,と言うわけには行くまい。 新大陸のマメゾウムシは,U.S.D.A.(合衆国農業省)にいたJ. Kingsolverと前述のC. D. Johnsonの2人のマメゾウムシ分類学の泰斗により,その他のどの地域のマメゾウムシよりも,種の記載と属・亜科の体系が整っている。系統学派は,分類学者の作り上げた分類体系など,恣意的で論理性に欠け,誤りだらけだと言うかも知れない。しかし,私には彼らによって著されたマメゾウムシの分類に関するの多数のモノグラフや論文と,Johnson自らの種同定の協力なしには,到底このような研究はスタートできなかっただろう。さらに,寄主植物(主にマメ科だが,それ以外にも数十科に及ぶ)は,Johnsonがすべて採集記録とともにデータベース化している。この情報を使わない手はない。私がわざわざ遠い新大陸のマメゾウムシを対象にしたのは,まさにこの基礎的情報の完備による。 このJohnsonとの共同研究が非常にスムースに進んでいるのは,彼が「分類学者として進化を語る」ことをしないからだと思う。彼はマメゾウムシの種を特定し,その分類的位置づけを行い,時には新属を立て,体系を整理する,それを30年行ってきた。しかし,その100近い著作物の中には,形態分類によって,どの分類群がどのように派生してきたかを述べた論文はない。彼がマメゾウムシの進化を論文にするときは,その生活史の進化に限られ,生態学としての仕事をベースにする。私が,新大陸のマメゾウムシ科の分子系統樹を作成し,生態的に重要な形質がどのように進化したかを系統樹上で解析したいと言ったら,彼は大いに興味を示し,新大陸のマメゾウムシについて知りたいことがあれば,何でも協力すると申し出てくれた。
3.新大陸マメゾウムシの群集構造 まずとりかかったのは,各々のマメゾウムシがどんな寄主植物を利用しているかを調べることである。1995年9月にハワイ州ホノルル市とアリゾナ州フェニックス市周辺でマメゾウムシの寄主として知られているマメ科の豆果やその他の科の種子を採集した。この時期は,最も多くの種類のマメ科植物が豆果を完熟させ,そこから羽化してくるマメゾウムシも種数が最多になると期待される。種子の採集は最低2カ所で行い,これを植物防疫所から輸入許可を得て東大の専用恒温室に持ち込んで,25℃,70%相対湿度,16L:8Dの光周期の条件下に置いて羽化を観察した。羽化したマメゾウムシの同定はJohnsonに依頼した。寄主植物の同定は,ハワイではハワイ州農業局植物防除所のKenneth Teramoto氏にお願いし,アリゾナ州ではJohnsonが行った。両者ともそれ以前に植物分類学者の協力を得て,その地域のマメ科植物の同定を済ませている。 羽化したマメゾウムシの各種ごとに,寄主植物ごとの単位種子量当たりの羽化数を4階級に分けた(0: 利用せず,1: まれに利用,2: よく利用,3: きわめて多く利用)。ここからPhylip 3.5c のFactorを使い0-1の2値化を行い,この0-1情報をもとに,同じくPhylipのSeqBootとMixを使って,寄主植物利用から見た構成種のニッチ類似度にもとづく最大節約法によるデンドログラムを作成した。 マメゾウムシと寄主植物の食う−食われるの相関図は,ハワイ(図2a)よりもアリゾナ(図2b)の方で1:多の関係がいっそう頻繁に見られ,食う−食われるの相関図はより複雑なものになっている。これをもとに寄主利用ニッチの最節約デンドログラムを作成したところ,ハワイでは,まだ寄主植物とマメゾウムシが1:1の関係になっているものがいくらかあるので,それらは群集構造の複雑化に貢献せず,デンドログラム上には完全に孤立した枝となって配置される(図3a)。それに対して,アリゾナでは1:多の関係になることで,マメゾウムシの間に寄主植物をめぐるニッチ重複が生じ,ニッチ類似度で見たデンドログラムの枝分かれが複雑化した群集構造となる(図3b)。ハワイのマメゾウムシ相は合衆国本土南西部のと共通の種からなるが,海洋島だけあって,合衆国本土に比べるとその種多様性に乏しい。 注意したいのは,分類学的には近いマメゾウムシでも,ニッチの類似性は意外と遠い場合がある点である。例えば,Stator属の2種S.limbatusとS.pruininus は寄主植物の範囲がきわめて多種に及ぶことで有名であり,ともに50種以上もの寄主植物が報告されている。その中には共通に利用される寄主も多い。しかし,今回の採集では寄主を使い分けていた(図2b)。そのため,ニッチの類似度で見た図3bでは,両者は遠い関係に配置されている。この2種が,相手の種がいるときといないときとでどの程度ニッチ・シフト(ニッチ転換)を見せるかは,他の場所でも調べてみる必要がある。 新大陸でマメゾウムシを多様に分化させる要因として,日本と違っていることは,(i)新大陸ではジャケツイバラ亜科・ネムノキ亜科の種を利用するマメゾウムシが多い。日本ではこれら2亜科はそもそも種が少ない。これらは木生種s┣が開裂しにくく,しかも長く枝についているので,1年のかなりの時期を利用できる。(ii)特に合衆国本土では南西部の半砂漠地帯にこの2亜科のマメ科が適応放散しており,種が多く密度も高いので,それを利用するマメゾウムシも種分化が多様である。(iii)冬がないので,マメゾウムシの成育に適した季節が長い。これらの要因により,複雑な構造の群集が特に本土で発達したのだろう。
4.系統による制約と適応進化による寄主シフト このような群集構造の研究はまだ始まったばかりで,今後は別の季節・別の地域でどのようになっているか調べていく必要がある。ちなみに,1996年2月にメキシコ・ケルナバカ市周辺とハラパ市周辺の2ヶ所で同様の調査を行い,ここではアリゾナ以上に多様なマメゾウムシ相がみられることが分かってきた(まだ同定が終わっていない)。マメ科植物もメキシコでは合衆国よりもはるかに多様性が高い。やはり寄主植物の多用な種分化に伴って,マメゾウムシの方も多様化した様子が伺える。 今後の目標は,マメ科とマメゾウムシ科の双方の分子系統樹を作成し,そこに食う−食われるの関係を乗せて,両者を対照させることである。分子系統樹の対比によるギルド構成種の共進化的過程の研究はとても新しいテーマで,FutuymaらによるOphraella属のハムシなどで成果が出始めたが(Futuyma et al. 1995),このような研究例はまだ少ない。毒性物質の保有と解毒機構の発達は,前述したように双方に系統的な制約の強い相互作用関係をもたらすと予想される。しかし,アリゾナにおけるマメ科とマメゾウムシの1:多の関係の頻繁さを見ると,新たな寄主候補のマメに遭遇してから生じた適応進化による寄主シフトの効果も,かなり大きそうである。双方の系統樹のOTUの対応関係が,どの程度頻繁に小さな系統群の範囲を越えて遠縁の寄主まで延びるかにより,両方の要因の相対的重要性が把握できるだろう。マメ科の系統を研究している分類学者の協力を仰ぎながら進めていきたい。 5.矢原徹一氏との対話 東北大でのワークショップにおける私の主張は,以下の点に要約される。 1.多数種を扱う群集生態学などにとって,亜科や属が体系づけられていないと,どの範囲までの分類群を扱えばよいか的が絞れず,これは大いに不都合。分類学はこの点に関して有効な情報を提供してくれる。 2.ただし,系統関係は系統学(特に分子系統学)によって決められるべきである。 3.分類体系と系統樹は必ずしも一致するとは限らない。不一致の程度が小さいときには,形態から区分する分類体系は取りあえず有効だろう。よって,多数種を扱う群集生態学などでは,より完成された分類体系を持つ種群を対象にした方が有利。
これに対して,後日九州大学の矢原徹一氏とメイルで討論する機会があった。彼の主張は以下のとおりである。筆者の質問に対する彼の答えを以下に示す。彼は一貫して,「分類学」は他分野の研究に役立つ「便利屋」であってはならないと,強く主張した。彼は,分岐図や分子系統樹など系統学の手法を用いながら,系統学の領域を越えて種分化・生物地理・性の進化などを包含した「真の分類学」の確立を目指している。 嶋田:既存の分類体系にそれほど不備がなければ,それを使う方が効率よく研究できる。
矢原:私は(種も含めて)現状の「分類群」はしばしば多系統であるという理解を生物学者の「常識」にする方が重要だと思います。・・・・・・・・・・・ 種より高次の分類群に関しては,系統樹があれば分類体系はごく副次的な意味しか持ちませんよ。かりに系統樹を正確に反映した分類体系を作ったとしても,系統樹の情報を分類体系にすべて表現することはできませんからね。名前はあった方が便利ですが,学問とは関係のない話です。「分類」や「名前」は分類学にとっては何ら本質的な意味を持ちません。「分類」「命名」という記述方法は,系統樹の登場によって時代遅れになりました。
嶋田:分類学の知識を持たずに,見知らぬ土地で未経験の生物の調査ができるか?
矢原:私はこれまで分類学者が積み上げてきた成果の歴史的価値を否定しているわけではありません。私だってメキシコのステビアの研究を行うにあたって,これまでの分類体系の情報を使っています。私が問題にしているのは,たとえばステビアの分類についてさらに研究を深めていく上で,「分類体系」という記述法を使い,既存の分類体系を改訂するというアプローチに現代的価値があるか,ということです。答えはNOだというのが私の主張です。
嶋田:系統樹からOTU1とOTU2が異種なのか同種の亜種なのか,OTUiとOTUjが別属か同属か,などは決められない。やはり形態や生殖器官から分類学者が決めて行くしかないのでは?
矢原:「OTU1とOTU2が異種なのか同種の亜種なのか,OTUiとOTUjが別属か同属か,別亜科か同一亜科か」これらはすべて基準さえ決めれば系統樹から一義的に決まります。基準がなければ,系統樹の有無にかかわらず,「異種なのか同種の亜種なのか,別属か同属か,別亜科か同一亜科か」などを一義的に決めることはできません。そして現実の分類には,客観的基準はないのです。・・・(中略)・・・種についてすらそうです。
嶋田:系統樹があれば事足りると言うが,その系統樹は,既存の分類体系があるからこそ,ある群を対象に的を絞って作成したのでは?
矢原:これまでの「分類体系」を参照していることは事実ですが,分岐分析の場合には,「分類体系」そのものよりもその区分に使われている形質を参照し,吟味している点によく注意してください。もういちどステビア属を例に出して説明しましょう。・・・・(中略)・・・・このようなプロセスを踏むとき,分岐学的論理に立つなら,「分類体系」そのものよりも「分類形質」の方が,「的を絞る」うえで有効な情報を提供します。分類学の歴史的遺産は「分類体系」そのものよりも,記載された「分類形質」の情報だと私は考えています。
嶋田:既存の分類体系が,研究対象とするある群の大まかな範囲を設定して的を絞るのに有効であっても,それは否定されるべきものか?
矢原:はい。論理的でないものを許容するというのは,今西進化論を許容するようなもので,科学者としてとるべき態度ではありません。嶋田さんのいう「ある対照群の大まかな範囲を設定して的を絞る」という作業は,「分類体系」を用いずに「分岐図」を用いることで可能であり,その方が論理的です。 私の主張は,形態などの表現形質情報だけにもとづいてモノグラフなどをつくる際にも,分岐学の論理にもとづいて行うべきだということです。記述様式としては,分岐図が基本になります。そしてこのような主張は,少なからぬ分類学者によってすでに採用されているものです。
嶋田:では,分類に素人の私が見てもはっきり区別できるマメゾウムシの6亜科は,なぜ自然界に存在するのか? 矢原さんが言うには,それが分類学者の「主観的な分類体系」からあぶりだされたものだからダメなのであって,分岐図で示せば,はっきり6亜科の(単なる区分だけでなく)系統関係まで立ち入って議論できるはずだと言う訳か?
矢原:口頭で説明しましたように,科を区分して亜科などを設ける場合,特徴的な形質でグルーピングした残りを,「特徴的な形質をもたないこと」でまとめるということを,分岐学以前の分類学者は平気でやります。こういう分類群はまず単系統ではありません。「素人の私が見てもはっきり相互に区別できるマメゾウムシの6亜科」の中に,そのような「特徴的な形質をもたない」のが特徴とされる亜科はありませんか?たとえば「毛がある」群と「毛がない」群は区別はつきますが,だいたいどちらかが非単系統です。・・・・(中略)・・・・ 既存の分類体系は役に立ちますが,その情報を有効に活用するには,分岐分析によって論理的に再評価をしてやる必要があります。結局のところ,役に立つのは「形質情報」であって,分類体系そのものではないのです。
彼との対話を通して私が学んだことは,系統樹は基準さえ決めれば論理的に進化の体系を表現することができ,もし誤りがあれば,それは何によって生じたかを把握できて改善が可能である。一方,既存の分類学は分類体系を構築する論理性に欠け,しばしば恣意的である。たとえ完璧な分類区分を作れたとしても,系統樹の情報をすべてその中に取り込むことはできない。進化の研究は,まず形態に基づく分岐図でもよいから有効な系統樹を作るところからスタートせねばならない,ということである。確かにこれは,分類学の再生を促すことであって,否定ではない。再生の苦しみとして,分類体系の非論理性に目を向けるべきだろう。
中條道夫 (1937) マメゾウムシ科.日本動物分類10巻・8編・9号,99 pp,三省堂. Duke, J. A. (1981) Handbook of legumes of world economic importance. Prenum Press. Futuyma, D. J., Keese, M. C. , and Funk, D. J. (1995) Genetic constraints on macroevolution: the evolution of host affiliation in the leaf beetle genus Ophraellia. Evolution 49: 797-809. Johnson, C. D. (1980) Interaction between bruchid (Coleoptera) feeding guilds and behavioral patterns of pods of the leguminosae. Env. Entomol. 10: 249-253. Morimoto, K. (1990) A synopsis of the bruchid fauna of Japan. In メBruchids and Legumes: Economics, Eco-logy and Coevolution. (K. Fujii, A. M. R. Gatehouse, C. D. Johnson, R. Mitchel & Yoshida, T. [eds.])モ, pp. 131-140, Kluwer Acad. Press. 嶋田 正和 (1994) ダイナミックなマメゾウムシの世界 :一粒のマメから広い野外まで. 藤井宏一・嶋田正和・川端善一郎編『シャーレを覗けば地球が見える』第1部,pp. 13-96.平凡社. Udayagiri, S. and Wadhi, S. R. (1989) Catalog of bruchidae. Mem. Amer. Entomol. Inst. 45, 301 pp. Amer. Entomol. Inst. 渡辺 直 (1986) マメゾウムシ−マメが先に伝播して待っている.桐谷圭治編『日本の昆虫:侵略と撹乱の生態学』,pp. 52-67,東海大学出版会.