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活動他/2014年度講演会

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2014年度日本植物分類学会講演会のお知らせ

日本植物分類学会では以下の講演会を開催いたします。会員外でも参加できますので多くの方々のご参加をお待ちしています。

日時
2014年12月13日(土)午前10時〜午後5時
会場
大阪学院大学2号館地下1階2号教室(02-B1-02教室) 〒564-8511 大阪府吹田市岸部南2丁目36番1号(電話:06-6381-8434)

 プログラム

演者 演題
10:00-10:05 学会長 ご挨拶
10:05-11:05 矢野興一 アジア産スゲ属植物の多様性とその進化
11:15-12:15 小林禧樹 淡路島の植物相の特徴と注目される植物−改訂増補版を出版して
12:15-13:15 昼食
13:15-13:40 掛澤明弘 屋久島高地における植物の小型化現象−ヒメコナスビを例にして−
13:40-14:40 菅原敬 日本産カンアオイ属植物,特に常緑性カンアオイ類についての分類学的研究の現状と課題
15:00-16:00 長谷部光泰 陸上植物の面白さ
16:00-16:25 末次健司 従属栄養植物の奇妙な生活−植物が光合成をやめる際,必要になる適応とは?
16:25-16:50 林一彦 (特別講演) 高貴なユリ カサブランカの交配親でもある絶滅危惧種タモトユリの現状

 その他

参加費としてお茶代(100円)を徴収いたします。また講演会終了後,大阪学院大学職員食堂(17号1階)で懇親会を行います(当日申し込み,学生割引もあります)。

 会場までのアクセス

JR 東海道本線岸辺駅あるいは阪急京都線正雀駅から大阪学院大学までともに徒歩5 分。 大学ウェブサイトの「交通アクセス」と「キャンパスマップ」をご覧下さい。

 講演要旨(執筆は各演者による)

アジア産スゲ属植物の多様性とその進化

矢野興一(岡山理科大学生物地球学部)

スゲ属植物(カヤツリグサ科)は被子植物のなかで多様に分化した分類群の1つである。特に東アジアでの多様性が高く,様々な環境に生育している。しかしながら,互いによく似た種が多く,分類が難しい分類群でもあり,研究者によって分類体系も異なる。近年,DNAによる系統解析からスゲ属の系統関係や進化について多くの新しい知見が得られてきており,その研究成果や研究課題などについて紹介する。

淡路島の植物相の特徴と注目される植物−改訂増補版を出版して

小林禧樹(兵庫県植物誌研究会)

2年前に「淡路島の植物誌」の改訂増補版を出した。旧版発行後の調査および頌栄短期大学所蔵標本の同定作業の進展によって,新しい植物が見出されたほか,最近の調査でイズハハコやタシロランなども発見された。淡路島はこうした希少種やミミガタテンナンショウのような隔離分布種がみられる一方で,他地域ではごく普通のクロモジ,ハナイカダ,タカノツメが分布しないという「分布の謎」を秘めた島でもある。これらについて,肩のこらない楽しい話を紹介したい。

屋久島高地における植物の小型化現象−ヒメコナスビを例にして−

掛澤明弘(京都大学大学院理学研究科)

屋久島の高地では植物体が近縁種の1/2〜1/10程度の大きさで成熟する小型化現象が多くの分類群で報告されている。それらの一つであるヒメコナスビでは,その祖先種で低地に生育しているコナスビに比べて特に葉における小型化が顕著であり,その要因は細胞数と細胞サイズ両方の減少であることがわかっている。このような形態形質の差異に遺伝的なバックグラウンドが存在するのか,また,それが適応進化の結果であるのかを明らかにすることを目的としておこなった,共通圃場実験と集団遺伝学的解析による研究の成果を紹介したい。

日本産カンアオイ属植物,特に常緑性カンアオイ類についての分類学的研究の現状と課題

菅原敬(首都大学東京・牧野標本館)

日本列島で多様な種へと分化した植物の一つにカンアオイ属がある。その中でも常緑性のカンアオイ類の分化は著しく,狭い地域のなかで多くの種が認識・記載されてきたが,一方で現在も未記載のまま残る分類群が存在する。これは地理的変異や形態的特徴の把握が難しいためであるが,このような植物を対象にした分類学的研究の一端を紹介するとともに,今後の課題について触れてみたい。

陸上植物の面白さ

長谷部光泰(基礎生物学研究所)

野外で植物を見つけて名前を調べるのは面白い。でも,さらに,個々の植物の形をよく見てみるとさらに面白いことがたくさんあります。そして,世界中で行われている最新の研究成果や生物学のいろいろな分野の知見を統合してあらためて形を見直すとますます面白いことが出てきます。私が大学で行っている植物進化学の講義(http://www.nibb.ac.jp/plantdic/blog/)から,食虫植物,動く植物,陸上植物の祖先,コケの受精方法,植物の生活史,コケシノブ,コハコベの葉序などを時間の許す限りオムニバスで紹介します。

従属栄養植物の奇妙な生活−植物が光合成をやめる際,必要になる適応とは?

末次健司(京都大学大学院人間・環境学研究科)

皆さんは「植物の特徴を挙げよ」と言われた場合,どのように答えるだろうか。多くの人が,葉緑素を持ち,光合成を行うことを挙げるに違いない。しかしながら,植物の中にも光合成能力を失った従属栄養植物が存在する。本講演では,(1)様々な従属栄養植物を紹介し,(2)それらの従属栄養植物が特異な生活史を全うするため,どのような適応を遂げたのか紹介したい。

高貴なユリ カサブランカの交配親でもある絶滅危惧種タモトユリの現状

林一彦(大阪学院大学経済学部)

タモトユリは,江戸時代に毎年薩摩藩より将軍家に12本献上され,自生地は藩の政策で秘密にされていた。そため自生地は保護され,その後第二次大戦後は,米国の占領地内におかれた。昭和27年の日本返還時には,鱗茎は占領時に島民が欧米諸国へ密輸出したため激減していた。園芸的価値が高いので幾つかの調査が試みられたが,ここ10年自生が確認されていなかった。この度自生を確認したので自生地の模様を報告する。

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最終更新時間:2014年11月21日 11時57分32秒

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